書122 淡々斎 鳥啼山更幽 25万円 共箱
掛軸寸法31.5×176cm
本紙寸法29×103cm
本紙は 紙本。
細物にて 姿良し。
書は 淡々斎 さん。
文句は 鳥啼山更幽 。
鳥の鳴き声が 静かな山の中で より一層 静けさを 引き立たせることよ、
と言う意味で 季節は 特には ありません。
俳句でいえば 芭蕉の 「古池や 蛙とびこむ 水の音」 と にた 意味合いで ございます。
淡々斎さんは この 言葉が お好きで よく 揮毫されて いらっしゃいます。
表具は 貼風帯。
一文字 本金竹屋町
中廻し 花唐草文 正絹(高野裂かも)
天地 絓(しけ)正絹
軸先 黒塗 宗旦形
箱 桐
状態 良好です。
オススメ申し上げます。
風定花猶落 鳥鳴山更幽
(詩人玉屑)
風定まって花猶落ち 鳥鳴いて山更に幽なり
風が全く無く静まりかえった庭先で、ぽとりと花が落ちる。
桜の花のようなぱらぱらでもひらひらでもなく、ぽとりと
いうひとつの音が、かえって静けさを気づかせ、静寂さを
引き立たせる。すべての動きが止まった単なる静けさでは
なく、静かさの中に穏やかな温もりと時の動きを感じる
静けさである。全くの無音状態が静かとは限らない。
無音は却って不気味さ不安さを感じさせ心穏やかならず、
決して静寂さを味わうことは出来ないものである。
『茶席の禅語大辞典』(淡交社)の文字数別索引で「鳥啼山更幽」を引いたところ、「風定花猶落 鳥啼山更幽」が該当し、「風定まって花猶落つ、鳥啼いて山更に幽なり」と読み下している。これは「風が止んだのに花が落ち、静寂の中に響き渡る鳥の一声によって更に寂寥感が深まる情景」と説明があり、「もとは梁代の王籍の『若耶渓に入る』と題する詩の『蝉噪きて林逾静』に続く結句」とある。王籍の「若耶渓に入る」の詩全文は『漢詩名句辞典』(大修館書店)のpp.106-107に確認できる。
風定花猶落 鳥啼山更幽
風が止んだのに花が落ち、静寂の中に響き渡る鳥の一声によって更に寂寥感が深まる情景
六世紀前半、天監年間(502〜519)の詩人
王籍の五言古詩の一節「蝉噪林逾静(せみさわいではやしいよいよしずか) 鳥鳴山更幽」からで、静かな山の中、鳥が一声鳴いて飛び去った後は、より深い静寂に包まれる…そんな情景を表現した句