書2−5 松村呉春 蓬莱嶋台 (芝山持豊 賛
) 1
2万円
掛軸寸法175×32,5cm
本紙寸法100×29cm
本紙は 紙本。
細物にて 姿良し。
絵は 松村呉春 。
賛は 芝山持豊。
この人は 国学者、歌人で 呉春とは 殆ど同時代で 大体 江戸後期です。
芝山持豊 は 中々の社交家で 色んな人の絵に 賛をしています。
この時代は 町人の中に 様々の文化、芸能が 広まり
俳人、歌人、画家、茶人、文芸、芸能人が 身分を超えて 自由に 交流した時代でした。
そして 書画の世界では 画賛もの というのが 大いに流行しまして
ほぼ 明治まで 続きました。
その後は 現在に 至るまで このような 当意即妙の 合作は 少なくなりました。
日本人作家に 即興の 表現力が なくなったのが その理由です。
その後 現在に至るまで アドリブの 文化を 楽しむ ということは 衰退しました。
残念なことです。
さて 新春早々の ボヤキは これくらいにしまして。
蓬莱嶋台 と言う絵ですが 変わってますね。
亀の 上に 松と梅ノ木 見えます。
これも 長くなりますので 以下に 簡単に ご説明申し上げます。
島台(読み)しまだい 精選版 日本国語大辞典 「島台」の意味・読み・例文・類語 しま‐だい【島台】 [1] 〘名〙 婚礼や供応などの時の飾り物。州浜台の上に松・竹・梅などを飾り、鶴・亀を配し、尉(じょう)・姥(うば)を立たせたりしたもの。蓬莱山(ほうらいさん)を模したものという。しま。 ※浄瑠璃・今川物語(1663)一「さもいつくしきしまだいを持せ、君の御ぜんに参りつつ」 [2] 地唄・長唄・うた沢などの題名。いずれもめでたい内容を持つ祝言物。 [補注]一説に、中国の春分の日に食物を盛る「春盤」の影響を受け、正月に、米・餠・ミカン・昆布・海老・干し柿・かち栗などをのせ、飾りもので美しく飾っていたものが、婚礼や供応に用いられるようになったともいう。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 |
蓬莱嶋台 には このほかに 色んなパターンが あります。
この 亀の背中の蓬莱も その内の 一つです。
要するに お目出度いもの と 受け取ってください。
表具は 裂表具。 極上。
一文字 七曜繋ぎ文 本金金襴
中廻し 牡丹唐草文 どんす
天地 大牡丹唐草文 遠州
軸先 頭切 骨
箱 杉
状態 良好です。
強く おススメ申しあげます。
画像を ユックリ ご覧ください。
まず最初に ↓
本紙に 傷みがあって 補修が あります。
これで 約200年 経た者ですから
私は この程度の物は 状態 良好です。 と表現します。
うつし絵に みるも
えならぬ亀のうへの
山こそゆきて
見まゝほしけれ
前権中納言 持豊賛。
(読み下しに 間違いがあるかもしれません。お許しください。)
芝山持豊 しばやま-もちとよ
1742−1815 江戸時代中期-後期の公卿(くぎょう),歌人。
寛保(かんぽう)2年6月5日生まれ。芝山重豊(しげとよ)の子。正二位,権(ごんの)大納言。本居宣長(もとおり-のりなが)の学風をしたい,国学,歌道に通じる。堂上歌人にかぎらず幅ひろく交際し,門下から三河の漁夫糟谷磯丸(かすや-いそまる),会津(あいづ)藩士の沢田名垂(なたり)など異色の歌人がでた。文化12年2月20日死去。74歳。著作に「二条家懐紙詠草書法」「美玉之記」など。
呉春(ごしゅん、 宝暦2年3月15日(1752年4月28日) -
文化8年7月17日(1811年9月4日))は江戸時代中期の絵師である。四条派の始祖。本姓は松村(まつむら)、名は豊昌(とよまさ)。字を裕甫、のち伯望(はくぼう)、通称を文蔵(ぶんぞう)、嘉左衛門。号には呉春のほかに月溪(げっけい)、可転(かてん)、允白(いんぱく)、存允白、孫石(そんせき)、軒号に百昌堂、蕉雨亭など。初期の画号・松村月渓も広く知られる。
呉春の宅跡、四条河原町から徒歩5分程の所です。 横の室外機が 面白いので UPしました。
生涯
京都の金座年寄役の家に六人兄弟の長男として京都堺町通四条下ルで生まれる。はじめは家業を継ぎ金座の平役を務めた。金座は平役でも月収入がおよそ百両あり、家は裕福だった。非常に手先が器用で、大判小判を数える時には、右手から左手へ金貨を投げ上げ、その一瞬の間に贋金を傍らに選り分けたという逸話が残る。
旦那芸の時代
何時頃から絵を学び始めたかははっきりとは不明だが、明和7年(1770年)頃に大西酔月の門を叩いたとされる。数年後に酔月が亡くなると、安永2年(1773年)には与謝蕪村の内弟子として入門、俳諧や南画(文人画)を学ぶ。最初は趣味や余技として学び始めたが、安永4年(1775年)の『平安人物誌』の画家の項に早くも名前が載っている。この前後から安永末頃、何らかの事情で金座を辞すと、本格的に俳諧師や絵師として身を立てていく。